仮想通貨(暗号資産)の利便性とは?法定通貨や電子マネーとの違いも解説

仮想通貨とは、暗号技術によってインターネット上で管理・運営されている通貨の総称です。特定の発行者や管理者を持たない仮想通貨も存在し、「暗号通貨」や「デジタル通貨」とも呼ばれています。

主にインターネット上の送金や決済などに使用することができ、投資対象としても活用されています。代表的な仮想通貨であるビットコイン(BTC)以外にも、今では1,500種類以上の仮想通貨が世の中に存在しています。

執筆Coincheck Column編集部

Coincheck Column編集部は仮想通貨の取引経験者やブロックチェーンの知見に深いメンバーで構成されています。これから仮想通貨を始める方々に「仮想通貨について正しく理解していただき安心して取引できる」ことを目的に執筆しています。/ 運営元:コインチェック株式会社

仮想通貨とは?法律上の仮想通貨の定義

仮想通貨とは
まず、日本の法律では「仮想通貨」は以下のように定められています。ただし、下記の定義では難しい部分がありますので、後ほど簡単にご紹介します。

資金決済に関する法律 第二条 第五項による定義:

この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。

一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

詳しくはこちら:仮想通貨とは何か?初心者にもわかりやすく解説

仮想通貨と法定通貨の違い

仮想通貨と法定通貨の違い
では、同じ通貨と名のつくものでも、仮想通貨は日本円や米ドルなどの法定通貨とどのような違いがあるのでしょうか。

法定通貨は特定の国家や中央銀行によって発行、管理されています。日本であれば造幣局が製造して日本政府によって発行される硬貨と、日本の中央銀行である日本銀行によって発行される日本銀行券(紙幣)が法定通貨と定められています。

つまり、国家やそれに準ずる機関が定めることによって、通貨の価値も保証されているのです。

一方で仮想通貨の中には、法定通貨のような発行主体や管理者を持っていない仮想通貨もあります。国家などによる価値の保証を持たず、利用者の信用に基づいて価値がついています。

また、法定通貨の硬貨や紙幣のように「物理的」に存在しているわけではなく、インターネット上の電子データとして存在しています。そのため、インターネット環境さえあれば世界中のどこでも送金や決済ができます。

仮想通貨の取引所や販売所を介して、別の仮想通貨や法定通貨と交換することも簡単に可能です。

仮想通貨と電子マネーの違い

電子マネーと仮想通貨の違い

仮想通貨と混同されやすいものとして、電子マネーがあります。近年では駅やコンビニで毎日のように使っている人も多いのではないでしょうか。

仮想通貨と電子マネーの大きな違いとしては、以下の6つが挙げられます。

①発行元が異なる

②対応する法律が違う

③中央集権があるかないか

④利用できる場所が違う

⑤価格変動性が大きいかどうか

⑥ポイントが貯まるかどうか

参考:仮想通貨と電子マネーの違いはなに?それぞれのメリットについて解説!

仮想通貨のビットコイン(BTC)で決済する場合、ビットコイン(BTC)そのものを利用して決済します。一方で、電子マネーはそうではありません。

電子マネーは事前チャージもしくは後日口座引き落としという方法で、事実上「日本円」を使っています。「物理的」に紙幣や硬貨を使わずに決済する点では同じですが、電子マネーの決済時に使われているのは「日本円」なのです。

また、法定通貨と同様に、電子マネーにもそれぞれを発行、管理する運営会社が存在しています。

仮想通貨の利便性とは?いいところは?

仮想通貨の利便性
では、仮想通貨には一体どのような利便性があるのでしょうか。

前述したように、仮想通貨はインターネット上で送金や決済に利用することができます。しかし、それ以外にも仮想通貨には様々な用途があります。

ここではその用途や利便性について見ていきたいと思います。

海外送金が安くて早い

仮想通貨は、中央銀行をはじめとする金融機関を経由せずに、個人間で直接送金をすることができます。

通常、法定通貨によって国際送金をする際は、高額な送金手数料が掛かります。一方で仮想通貨を使うと、それよりもはるかに安く送金することができ、送金時間も非常に短くなります。

決済手段としての仮想通貨

仮想通貨は、商品やサービスを購入する際の決済手段としても使うことができます。日本では大手家電量販店など、使えるお店が少しずつ増えています。

事前に決済用のアプリケーションをダウンロードしておく必要がありますが、オペレーション自体は非常に簡単です。今後、導入店舗が増えていくにつれ、さらにユーザーフレンドリーなアプリなどが登場してくる可能性もあります。

投資・投機対象としての仮想通貨

証券取引やFX取引と同様に、仮想通貨は投資・投機の商品として運用することもできます。

2019年時点では、送金や決済よりも、こちらの用途での需要の方が大きいかもしれません。現在は数円や数十円以下の価値の仮想通貨でも、数年後には何十倍や何百倍にも価格が高騰している可能性があるのが、仮想通貨です。

価格が安いうちに購入し、将来価格が上がってから売却することで、実際に大きな利益を手にした方も少なくありません。また、株式投資などと異なり、数百円などの少額から気軽に始められることも、魅力の一つと言えるでしょう。

仮想通貨が実際に利用できるところは?

仮想通貨の利用
仮想通貨を実際に利用できるところはまだまだ少ないですが、ビットコイン(BTC)を中心に着実に増えています。具体的に利用できるところを、いくつかご紹介したいと思います。

ビットコインモール

電化製品やカー用品、生活雑貨など幅広い商品を取り扱っているネットショッピングサイトです。ビットコイン(BTC)とモナコイン(MONA)で支払いができ、日本円やクレジットカードでの支払いはできません。

仮想通貨でしか決済できないのは不便な気もしますが、個人情報の漏えいのリスクが減るというメリットがあります。

クレジットカード決済ではカード番号の漏えいなどのリクスがありますが、 ビットコイン(BTC)の決済ではそのリスクがありません。クレジットカード情報を入力する必要もなく、より安全に決済が行えます。

ビックカメラ

大手家電量販店のビックカメラでは、全店舗の店頭とネットショップでビットコイン(BTC)による決済ができます。

店頭では1会計につき30万円相当まで、ネットショップでは10万円相当までビットコイン(BTC)決済ができます。現金払いと同様に、10%のポイント還元のサービスも受けることができます。

このように、オンライン上でもリアル店舗でもビットコイン決済ができる場所は、今でもすでに存在しています。また、ここまで挙げたのはほんの一例で、他にも仮想通貨決済を導入しているお店は日本各地にあります。

仮想通貨の今後はどうなる?

仮想通貨の今後
仮想通貨は今後どうなっていくのでしょうか。2017年、仮想通貨は爆発的な投機ブームとなりましたが、現在はそれが落ち着いた状態です。

しかしながら投機ブームが去っただけであり、仮想通貨そのものが廃れたわけではありません。日本でも大手企業の仮想通貨事業への参入は続いていますし、メガバンクは独自の仮想通貨の発行を発表しています。

このような流れに後押しされて、仮想通貨は今後どんどん一般社会に浸透していく可能性もあります。

クレジットカードや電子マネーの普及によって、日本でも少しずつキャッシュレス化が進んでいます。このキャッシュレス化の波により、仮想通貨決済を導入するお店も増えていくかもしれません。