暗号資産Aptos(アプトス/APT)とは? 特徴や仕組み、メリットや将来性について解説!

Aptos(アプトス/APT)とは、Aptos Labによって開発された新世代のL1(レイヤー1)ブロックチェーンです。

このプラットフォームは、高い安全性とスケーラビリティを目指し、Meta(旧Facebook)のDiemブロックチェーンエンジニアによって開発された「Move」というプログラム言語を採用しています。また、トランザクションの並列処理が可能であり、PoSとAptos BFTの2種類のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。。さらにAptosは、その高い処理能力により、ブロックチェーンが抱えるトリレンマを解決する技術として高い注目を集めています。

この記事では、Aptos(アプトス)の特徴や仕組み、メリットや将来性、今後の動向などについて解説していきます。

暗号資産Aptos(アプトス)とは

Aptosとは

Aptos(アプトス)とは、Aptos Labによって安全性とスケーラビリティに重点を置いて開発されたL1(レイヤー1)ブロックチェーンです。Meta(旧Facebook)のDiemブロックチェーンエンジニアによって独自開発されたプログラムング言語「Move」を採用し、加えてコンセンサスアルゴリズムにHotStuffプロトコルを派生させたBlockSTMを使用することでトランザクションの並列処理を可能にし、高いスループットを実現させています。

通貨単位 APT
時価総額(2023年12月時点) 約3548億円(35位)
コンセンサスアルゴリズム PoS(Proof of Stake)
Aptos BFT(Byzantine Fault Tolerance)
ホワイトペーパー https://aptos.dev/assets/files/Aptos-Whitepaper-47099b4b907b432f81fc0effd34f3b6a.pdf
公式サイト https://aptoslabs.com/

暗号資産Aptos(アプトス)の特徴

特徴

暗号資産Aptos(アプトス)の特徴は以下の3つが挙げられます。

  • 高い処理機能を持つ「Block-STM」
  • PoSとAptos BFTの2種類のコンセンサスアルゴリズムを採用
  • ブロックチェーンに特化したプログラミング言語「Move」を使用

以下で詳しく解説していきます。

特徴①:高い処理機能を実現する「Block-STM」

1つ目の特徴は「膨大なトランザクションを高速で処理できる点」です。

Aptos(アプトス)は、Block-STM(Software Transactional Memoryの略)と呼ばれる技術を活用しています。従来のブロックチェーンは基本的に1度に1つのトランザクション処理を行うため、タイムロスが発生していましたが、Block-STMはトランザクションの実行とコンセンサスを切り離して処理する並列処理を行うことで複数のトランザクションを一度に処理できるようになり、スケーラビリティが格段に改善します。

特徴②:PoSとAptos BFTの2種類のコンセンサスアルゴリズムを採用

2つ目の特徴は「PoSとAptos BFTの2種類のコンセンサスアルゴリズムが採用されている点」です。

Aptosでは、「PoS(Proof of Stake)」に加え、「Aptos BFT(Byzantine Fault Tolerant)」という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。2つのコンセンサスアルゴリズムを導入できるのは、Aptosがトランザクションの並列処理が可能なためです。当初のAptos BFTは「Diem BFT」というMeta社(旧Facebook)で開発されたコンセンサスアルゴリズムとなっており、そこに「HotStuff」というシステムを追加しています。HotStuffとは、ビザンチン障害に対して耐性を持っているプロトコルであり、「全てのノードが連絡を取りつつも、選ばれたリーダーがノードの連携をまとめるシステム」となっています。このリーダーが全体を統括することで、ノード間のコミュニケーション回数が減少し、処理速度を大きく向上させると同時に高いセキュリティ性が実現されると期待を集めています。

特徴③:ブロックチェーンに特化したプログラミング言語「Move」を使用

3つ目の特徴は「ブロックチェーンに特化した開発言語Moveが採用されている点」です。

暗号資産のスマートコントラクトには、通常Solidityという言語が使用されています。Solidityでは、スマートコントラクトのデータが生成した中央のコントラクトアカウントに保存される仕組みになっており、セキュリティリスクが生じる懸念が指摘されています。

一方でMoveでは、データは個人アカウントに分散して保存され、データの所有権はユーザーにあります。そのため、「自分のデータを操作できるのは自分のみ」という状態になり、バグが発生しても、ハッカーがスマートコントラクト内の全員のデータを改変することはできません。

この点において、Solidityなどを採用しているL1プロジェクトに比べAptosのセキュリティは高く評価されています。

暗号資産Aptos(アプトス)のメリット

メリット

暗号資産Aptos(アプトス)のメリットは以下の2つが挙げられます。

  • L1チェーンが抱えるトリレンマを解決する可能性がある
  • 多様なプロジェクトを展開可能

以下で詳しく解説していきます。

メリット①:L1チェーンが抱えるトリレンマを解決する可能性がある

1つ目のメリットは「L1チェーンが抱える課題を解決する可能性があるという点」です。

イーサリアムをはじめとしたレイヤー1のブロックチェーンは優れた技術である反面、その構造上必ず発生してしまう「分散性」「セキュリティ」「スケーラビリティ」と言われるトリレンマが存在します。

トリレンマとは、3つのうち2つしか選択できず、残りの1つは諦めるしかない状況を指します。例えばイーサリアムは分散性とセキュリティに優れていますが、スケーラビリティ問題を抱え、「イーサリアム・キラー」と呼ばれるBNBチェーンにおいてもセキュリティとスケーラビリティに優れていますが、分散性に課題を抱えています。

これらの課題に対してAptosが導入する「Block-STM」「Aptos BFT」「 Move」の3つの技術は、ブロックチェーンに「膨大な量のデータを素早い処理で、分散して安全に管理できる」機能をもたらし、トリレンマを解決する大きな希望となると言われています。

メリット②:多様なプロジェクトを展開可能

2つ目のメリットは「Aptosチェーン上で多様なプロジェクトが展開できる点」です。

Aptosのブロックチェーン上では、さまざまなアプリケーションが実現可能であるため、Defi(分散型金融)、NFT、NFTゲームや次世代ソーシャルメディアプラットフォームなどの多様な分野での活用が期待されています。

実際にAptosのメインネットがローンチする以前で、既に100以上のプロジェクトがAptosのエコシステム上で構築されていたことからも期待の高さを伺えるでしょう。

特にその中でも代表的なプロジェクトを紹介します。

-代表的なプロジェクト-


  • HippoLab(アグリゲータ)

  • Econia(DEX)

  • Liquidswap(AMM)

  • Martin(ウォレット)

暗号資産Aptos(アプトス)の将来性・今後の動向

今後

暗号資産Aptos(アプトス)の将来性や今後の動向を占う上で重要なポイントとしては、主に以下の2つがあります。

  • AptosネットワークをベースとしたWeb3.0の普及
  • 次のソラナ(Solana)キラーになれるか

ポイント①:AptosネットワークをベースとしたWeb3.0の普及

1つ目のポイントは「AptosネットワークをベースとしたWeb3.0の普及」です。

2022年8月9日、Aptosの開発を手がけるAptos Labは米マイクロソフト(Microsoft)と提携し、同社が提供するAIサービス「Azure OpenAI Service」をAptosネットワークに統合することを発表しました。これにより、Aptos上でサービスを構築する開発者は、アプリケーションに大規模な言語生成AIモデルを導入することが可能になります。

Azure OpenAI Serviceとは、Microsoft社のクラウドサービス「Microsoft Azure」において、OpenAIが手掛けるAIを利用できるサービスです。このサービスには、AI技術やデータサイエンスのスキルや知識を持たないシステム開発者でもアプリケーションを構築できるサービス「Azure Cognitive Services」が組み込まれています。加えて、今回の連携を通じて「アプトス・アシスタント(Aptos Assistant)」と呼ばれるアプトス・エコシステムに関するユーザーからの質問に答えるチャットボット機能も追加される予定です。

このようにAptos Labによる開発インフラの整備が進むことで、スマートコントラクトや分散型アプリ(Dapps)の構築に興味を持つ開発者がシームレスにWeb2.0からWeb3,0へ開発環境を移行することが可能になります。そして、Aptosネットワーク上でのサービスが増えることで、より多くのエンドユーザーの手にAptos上のサービスを届けることが可能になるでしょう。

ポイント②:次のソラナ(Solana)キラーになれるか

2つ目のポイントは「Aptosが次のソラナキラーになれるか」という点です。

実際にAptosは稼働を始めてから1週間もたたないうちに、既に「ソラナキラー」になる可能性が高いと界隈でも注目を集めました。Aptosは、1秒間に16万件のトランザクションを処理できると主張している一方で、Solanaの1秒間の処理件数は6万5000件で、イーサリアムの場合はわずか30件とされています。
Aptosは高い処理性能に加え、数十億円の支援やエコシステム構築に対するトップダウンのアプローチ、そしてソラナの元マーケティング責任者でもあるAustin Virtsが現在のAptosのエコシステムの構築を担当しています。Aptosが掲げるスループットはまだ段階的なものではあるものの、Aptosが掲げる技術面で目標の半分でも達成できれば、他のすべてのスマートコントラクト対応のレイヤー 1 ネットワークから大幅な市場シェアを獲得できる可能性があると言えるでしょう。

まとめ

この記事では暗号資産Aptos(アプトス)の特徴、メリット、将来性などについて解説しました。

Aptos(アプトス)とは、高い処理能力、PoS とAptos BFTの2種類を採用したコンセンサスアルゴリズム、およびブロックチェーン開発に特化した「Move」プログラミング言語を使用する新世代のL1ブロックチェーンです。Aptos(アプトス)には、L1チェーンのトリレンマを解決する可能性と多様なプロジェクトの展開が可能であるというメリットがあります。

そのため、Aptos(アプトス)が今後さらに成長していけるかどうかは、技術の進化と市場での普及率の向上が重要なポイントになります。

※本記事はAptos(アプトス)の価格上昇を保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。